関与の形

保護者と子供の関係に関与すれば、どのように関与すれば良いのだろうか。

理想は保護者と一緒に努めて、子育てを改善して問題を解決することだろう。保護者と子供の関係を切断せずに、子供に長期的な問題が発生しないように工夫する。そして、保護者と子供を離れさせる必要があれば、できるだけ一時的にして、関係を保ちながら保護者に教育を提供し、子供に養育を与える。保護者には子育ての能力は全く無ければ、子供の養育を行政が担うが、元保護者との関係を保つように工夫した方が良いだろう。最悪の場合、関係を完全に切って、元保護者に対して刑事責任を問うことも考えられるが、そのような態度は極端なケースに限るべきだろう。子供を保護するのは重要だが、保護者との関係も子供にとって重要であるのではないか。

上記のように簡単に言えるが、実現するのは当然難しい。まず、必要な財源は高額だ。福祉士の人件費、施設の費用等があるし、虐待に至らないケースにも支援を提供するのは好ましいので、規模が大きくなるだろう。一方、子供を助けることに財源を使う方針は悪くないので、積極的に推すと支持を得るかもしれない。

もう一つの問題は福祉士の確保だ。福祉士は専門職だし、なるべく二人組で働かせた方が良い。その場合、ベテランと新人を組ませることはできるので、養成の後で現場での体験にもサポートがあるし、経験の上の理解もベテランが実践の活動で示す。そして、一人の福祉士の仕事の量を抑えた方が良い。問題がある家族と向き合うことは仕事の内容であるので、精神的なストレスが重いと予想できる。そのため、精神的な余裕を確保しなければならない。つまり、必要な人数が多くなる。養成を受けてもらうために、キャリアとして魅力が必要になるので、給料が良い方に設定しなければならない。だから、人件費が膨らむ。

実際の行政であれば、多様多種の活動の優先順位を決めなければならない。子供の支援はもちろん優先順位が高い方だが、唯一の活動ではない。一般的な学校教育の優先順位も高いし、高齢者の福祉の優先順位も高いし、公衆衛生の優先順位も高い。限られた財源で最善の取り組み方を決めるのは容易ではない。

ただし、ここで財源や人材の問題を考えなくても良い。理想として考えれえば良い。

主に保護者本人が連絡して、支援を求めるのは良い。子育てに迷ったり、ストレスを感じたりする場合、すぐに支援を得られれば、大きな問題に発展しないだろう。もちろん、友人や親族からそのような支援を受けられたら良いが、その限りではない。そのため、行政が提供すべきだ。そして、支援を求めたら、誰かがすぐに相談相手にならなければならない。問題が当事者にとってかなり深刻にならない限り、普通に支援を求めないので、数日以内の支援が望ましい。この場合、問題に応じて支援を提供して、大きな問題を避けることはできるだろう。

一方、保護者が問題を認めない場合もある。その場合、周りの人からの報告に基づいて調査すべきである。保護者が調査を受け入れたら、前述の形に切り替えられるが、それは理想だろう。一方、保護者が応じなければ、警察官の援助を得て、保護者の同意なしに調査する法的な根拠は明らかに必要だ。悪意の保護者に対応するための措置だから、保護者の意思を尊重するべきではない。もちろん、調査で大きな問題が見つからない場合、さらに関与しなくても良い。

この過程で、子供の意思を尊重することは重要である。子供は保護者との関係を重視すれば、守るべきだが、子供が保護者を怖がれば、子供の安全を確保するのは第一だ。もちろん、子供に判断を任せることはできないが、どのぐらい子供の意見を尊重すべきかは、次回の問題としたい。

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