カテゴリー結び

結びの扱い

結びの種類を描写したが、惟神の道でどのような役割を持つのだろう。 描いた結びは理想的な形であることは言うまでもない。友人の結びはお互いに支え合うと言ったが、そうなっていない関係をすぐに思い出せる人は多いだろう。だから、役割の一つは指針である。全ての結びがすぐにこの形になるとは思えないが、結びを強めたり磨いたりすることに努力すれば、理想に近づけると思われる。つまり、結びがあれば、その結びで何を目指すべきかという質問に答えを捧げる。 結びの存在を前提とすれば、惟神の道の道標は分かりやすいだろう。だが、結びを組むかどうかを考える場合、どうすれば良いのだろう。...

教育の結び

教育は産霊の発展に重要であるので、先生と弟子の間の結びも重大である。だけど、特別な結びとして位置付けるべきかどうかについて考えたいのである。 他の結びを考えれば、候補は職業の結びだろう。教育の結びは明らかに恋愛や家庭ではないし、郷土や友人でも相応しくないだろう。しかし、職業の結びには共通点がある。或る計画のために一緒に動くと言える。その計画は弟子の成長を実現することであるので、普通の職業の目的とちょっと違うが、職業は多種多様であるので、これは大きな問題にならない。そして、教育の結びは、職業の結びと同じように、限定されている。先生は、教育の範囲内弟子に指示を出すことはできるが、その範囲を出ることはできない。 この共通点を考えれば、職業の結びとして位置付けることは不可能ではないと判断するだろう。一方、教育の結びには特別な要素があれば、区別した方が良い。...

婚姻の結び

婚姻の結びをどう考えるべきなのだろう。 今のイメージは、男女が若いうちに結んで、子供を作って、そして性的な関係を二人きりとして一生を過ごすことである。しかし、この全てには例外が多いし、多くの場合、批判すべきだと思う人は殆どないだろう。結婚の年齢を18歳以上30歳未満とする法案は支持を集めないだろうし、50歳未満、60歳未満としてもそれが変わるはずはない。そして、子供がいない夫婦を批判する人もいない。浮気を批判することは多いが、離婚と再婚をいたずらに繰り返さない限り、批判されないだろう。 本当に何が重要なのだろう。...

親子の結び

親子の結びは人生の中で最重要な結びであるのは否めない。この結びには問題があれば、人生全般に影響を及ぼしてしまう。その反面、うまく行けば、人生の基盤にも装飾にもなる。だから、重視するのは当然である。その上、産霊の一つの具現化は子供を産むことなので、親子の関係を作ることは直接に産霊と関わる。 では、この結びはどのような結びなのだろうか。まずは、子は文字通り子供である間と子供が大人になって門出を済ませた時と質が大きく違う。友人の結びで述べた通り、大人同士の親子結びは、友人結びの一種として捉えても差し支えないだろう。子供はまだ子供であれば、状況が違う。 まず、子供の立場から言えば、親に絶対的に頼れる結びである。そして、親を絶対的に信じられる結びである。愛されていることを疑わずに、文句を言ったり、叫んだり、自分の意見や立場を余計に訴えたりすることを、気軽にするのは適切である。...

郷土の結び

地縁は神道で重んじられている。氏神様というのは、現在の言葉で、ある地区を鎮護する神社を表す。その地区に住む人は皆氏子になる。神社界では、「氏子意識が希薄化していく」ことを憂う声は頻繁に聞こえる。これで、勿論神社との関係を考えているが、それだけではない。その地区の共同体意識も示唆している。これも重要な結びである。 郷土の結びと名付けるが、住む地区の人との結びである。生まれた地域から引っ越したら、現住居の地区を表す。この結びは、一方的でも構わない。同じ地区に住む人が皆相手になるので、それに応えてくれない人も少なくないのではないか。寧ろ、都会に住む場合、顔さえ知らない相手が存在するに違いない。...

職業の結び

職場でも結びがある。しかし、同僚は皆「友人」であるとは限らない。これも周知の通りなのではないか。もちろん、「同僚である」ことは、友人の結びの根拠になることもあるが、そうならなくても、同僚との結びがあるべきであると私は言いたいのである。 この結びの質は何だろう。一緒に働く人の特徴は、一緒にある計画を実現することである。職業の結びは、その共有する目的に基づく結びであると思う。相手は、目的に貢献できる限り結ぶことである。...

友人の結び

友人の結びの範囲は広いだろう。実は、分析して、複数の結びとして扱うべきなのではないかと思うほどである。それでも、特徴があると思うので、この投稿で論じたいと思う。 友人の結びはまず個人的である。ある特定の人との間の結びだ。その上、双方が結ばないといけない結びである。片思いの友人は有り得ない。(気持ちは有り得るが「友人」とは到底言えない。) そして、結びの根拠を指摘できる結びである。例えば、「一緒に飲み会に行けばとても楽しい」とか「いつも助け合い人である」とか「一緒に重要な経験をした」とか「共通の趣味を一緒にするのは楽しい」など多種多様。...

恋愛の結び

「縁結び」を祈る人の大半は、恋愛結びを願っているのだろう。人間にとって重要な結びであるし、行動を狂わせるほどの力も持っている。そのためだと思うが、歴史的にこの結びを蔑視したことは多い。しかし、私はそうすべきではないと思っている。恋愛の結びも重要な結びの一つで、高い価値のあることである。ただ、非常に強く感じることは多いので、充分注意しながら扱うべきだろう。 「恋愛」を言葉で定義するのは難しいが、読者のほとんどは体験から分かると思う。普段、色欲と深い関係を持つが、そればかりではない。恋に落ちたら(罠のように)相手との性的な関係を望むのは一般的だが、それ以上一緒に会話したり、一緒に経験したり、一緒に何もせずに時間を過ごしたりしたくなる。...

家庭の結び

一番大事な結びと言えば、家庭の結びなのではないかと思う。他の結びを同等やちょっと上だと論じられたら、すぐに退けられないかもしれないが、上の方の結びの一つであるのは疑えない。その上、社会の構造を考えれば、個人が基礎で、そして家庭、そして他の組織があるというべきなのではないだろうか。この結びをはっきりしないと、多くの問題が発生する。 家庭祭祀を論じた投稿で家庭を暫定的に定義したが、ここでまた定義を提唱する。家庭というのは、一緒に生活をする人で、一人一人で家庭の責任を全て力が許す限り担う。 ここで「家族」より「家庭」を使用する理由がある。「庭」は場所を表すが「族」は血縁を表すからである。(民族や氏族を考えよう。暴走族や農業族は比喩的な使い方だと思う。)家庭では、一緒に生活をすることはとても重要なのである。それは、家庭の結びの質から発する条件だ。...

結びの位置

神道で、結びは重要な概念である。神道の祭祀は元々個人のものではなく、団体のものであったと言われる。氏族の祭りは古かったし、村落が近所の自然を拝む祭祀も重要だったようである。この団体を形成させるのは、人の間の結びである。そのため、惟神の道で結びは重要であるのは間違いないが、どのような位置を占めるかについて、今回論じたいと思う。 産霊は基本的に個人の様子を表すが、結びは必ず二人以上のことになる。一人での結びはそもそもできないからである。結びを重視すれば、仏教のように出家を称讃することはできない。というより、仏教の基礎理念はこの世との縁を切って、悟りに進むことであると言われるが、結びを重視する惟神の道はその反対である。惟神の道を歩めば、この世と深く絡み合うのは理想である。...

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