婚姻の結び

婚姻の結びをどう考えるべきなのだろう。

今のイメージは、男女が若いうちに結んで、子供を作って、そして性的な関係を二人きりとして一生を過ごすことである。しかし、この全てには例外が多いし、多くの場合、批判すべきだと思う人は殆どないだろう。結婚の年齢を18歳以上30歳未満とする法案は支持を集めないだろうし、50歳未満、60歳未満としてもそれが変わるはずはない。そして、子供がいない夫婦を批判する人もいない。浮気を批判することは多いが、離婚と再婚をいたずらに繰り返さない限り、批判されないだろう。

本当に何が重要なのだろう。

婚姻を家庭の結成として考えれば、それは家庭の結びになる。家庭の結びは大変重要であるし、原則として無期限な結びであるべきだと思うので、結婚に似ている。しかし、二人に限られていないし、男女にも限られていない。もっとも、日本の家庭構成が男一人女一人になったのは、明治時代に西洋の習慣を輸入した時点だったので、日本人として「二人組」に拘る必要はないだろう。家庭の結びの中でこの特定の二人組を特別に重視する理由はすぐに見えない。

子育てと言えば、それは親子の結びになる。これも、男女の二人組ではなくても良い。一人親は大変なので、二人以上が望ましいが、三人か四人でも良かろう。一緒に同じ子供を育てることは、家庭結びを持つ大人になる。本当に子供を育てるために、同居は必要なのだ。そうしないと、子育てを他人に任せていることになる。(短期的にそうしても良かろうが、別居は例外ではなければ、自分で育てているとは言えないだろう。)そして、一緒に暮らして、一緒に子供の産霊の発展を支えようとしたら、当然家庭の結びになる。その場合、相手の生活に関与を控えるべき分野はないと等しい。何でも共通の子育てに影響を及ぼすからである。

逆に、家庭の結びがある人の中の一人が親子結びを実現すれば、家庭結びの相手は皆自然に親子結びを得る。家庭結びの範囲と質から明らかである。子供と一緒に住むし、親子の結びを持つ人の責任のすべては、他の家庭結びを持つ人は担うので、子育ても例外はならない。(だから勝手に子供を導入してはいけない。)この観点からも、20年以上の結びになるべきである。子供の安定した育ちを確保するために、家庭を構成する人には大きな変化はない方が良いとよく言われている。

だから、結婚を一般のイメージで見れば、家庭の結びと親子の結びが共存する結びとして考えれば、イメージにかなり近いのだ。残っている質問は、家庭の結びと親子の結び以上の婚姻の結びを提唱すべきであるかどうかという点である。

まず、男女一対であることと排他的な性的な関係を持つことは、家庭の結びと親子の結びと関係はないのである。この二点を付け加えて、新しい重視する結びを特定すれば、理由を掲げるべきなのではないか。

これまでの過程を考えれば、歴史的な理由は見える。一つは、子供を自然に産むために性的な関係は必要不可欠であることだろう。そして、出産のためにその性的な関係は男女の間でなければならない。近い将来の医学技術でこの条件が緩和されると思われるが、結婚の観念の発祥時点には夢にも見られなかった。そして、もう一つは結婚がよく恋愛から発生することだろう。恋愛の結びとは性が深く関わっているので、結婚との関わりも当然見做されたのではないか。

しかし、これは今でも特別な結びを認める理由には至らないと私は思う。その上、恋愛、特に性的な情熱は、家庭の結びや親子の結びより寿命は遥かに短い。この二つの要素を不要に付け加えたら、重要な関係には余計な脆弱性を持ち込む。人によって、自分の関係に排他的な性的な関係を持つのは良いと決めることはできるし、場合によって強い利点がある。それでも、特別に重視する関係の基盤とする理由はまだ見えてこない。

嫉妬を防ぐ必要をその理由として掲げられるかもしれない。性的な関係は排他的でなければ、嫉妬は不可避であると思われる人もいるかと思うが、そうとは限らない。平安時代に遡ったら、妻の顔が別な男性に見られたら耐えられないと思った人は少なくなかったようだが、もうそれは全く問題ではなくなった。100年ほど前に、妻が家の外で働いたら、長く維持できないと思った人も多かったが、明らかにそうではない。家庭の結びの外で性的な関係を結ぶことは当然自由であると社会的に思われたら、普通に大きな問題にならないはずである。そして、恋愛の結びは別な人との家庭の結びと矛盾しない認識が一般的であったら、新しい恋のために既存の重要な家庭の結びを捨てる人が少なくなるのではないか。少なくとも、いまの時点でもある二人がそれらの関係の中で排他的の性的な関係を要求しないようにしたら、家庭の結びや親子の結びには欠点があると言えないだろう。家庭の結びは三世代の祖父母と親の間に結べるが、その場合、一つの家庭の中で性的な関係はない結びは多い。理想に至っていないとは言えないが。兄弟姉妹が一緒に暮らしても、男女一対ではないことで欠点にもならない。姉と妹が二人で妹の子供を育てることとしたら、女性同士で性的な関係はないことで、重要な結びには欠点があるとは言い難い。姉妹に彼氏ができても同じである。もちろん、彼氏はその家庭の一員になりたいかどうかは問題になる場合があるが、既存の夫婦関係を優先する理由はない限り、それは特別な問題ではない。

つまり、家庭の結びと親子の結びに特別に重視する値が見えるのに、それに男女一対の排他的な性的な関係を上乗せしてさらに重視する理由は見えない。それでも、多くの場合、男女一対の関係になると思われる。多くの人間は異性と結びたいのだし、子供を設けるために近道である。そして、人間の心理には嫉妬は根強いので、排他的な性的な関係を維持しようとする人も少なくないだろう。ただし、結びの根本的な要素ではないと私は思う。

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