6月 2025

人間の尊厳

倫理の基本は、他人を制御しないことだ。 しかし、倫理の基盤は複数ある。これからの数投稿で、その基盤からそれぞれの論証を行う。まずは、人間の尊厳の基盤から考えよう。 この論証は難しくない。 人間の尊厳を尊重するために、全ての人間が同じような尊厳を持つと考えなければならない。しかし、そう考えたら、自分の倫理観を押し付けることはできない。人は誤っているかもしれない。それでも、人間としての格式は同じだ。人は誤っても、正しい考え方を押し付ける資格は自分にはない。人間として、二人とも同格だから、双方にも押し付ける権利はない。説得するように努力しても良い。第三者が制御されないように関与しても良い。しかし、誤った本人に正しい考え方を押し付けるのは別だ。...

倫理観の多様性

違う倫理観を許すべきだろうか。本格的な多様性を目指したら、そうしなければならない。それでも、容易にできることではないと思う。 ここで、自分の倫理観が正しいことを前提とする。この「自分」は読者を指す。もちろん、読者の倫理観の内容は筆者に分からないが、それは問題ではない。かなり抽象的な話になるからだ。 倫理観で、行為を三つの範疇に分ける。(これは簡潔な説明だが、役にたつと思う。)それは「義務」(しなければならない)「任意」(してもしなくてもいい)「禁止」(してはいけない)だ。 違う倫理観であれば、この分け方に違いがあるはずだ。六つの可能性がある。 まずは、任意を義務と勘違いする倫理を考えよう。これを許すべきだろう。悪いことを勧めていないし、その倫理観に沿った行為を許すので、倫理観自体も許すべきだと言わざるを得ない。...

少子化対策

先日、令和6年の出生数は発表されました。記録上初めて70万人を下回りました。政府は、これは危機であると述べて、今歯止めをかけなければ遅すぎるとも嘆いている。 それでも、根本的な対策を取らないのは決まっているだろう。財務省が反対するし、大手企業も反対する。数十年先に国が崩壊することは、その反発より些細な問題だ。 根本的な問題は、効果的な対策は誰も知らないことだ。先進国なら、少子化が進む。日本は特に深刻であるが、特殊ではない。根本的な解消策には社会の構造改革が必要だろう。育児支援が充実なフィンランドでも問題は同じだから、微調整で済むわけはない。でも、効果のありそうな緩和策を考えることはできる。それで時間を稼いで、根本的な原因に対応する余裕を得られるだろう。...

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