代表者会議の運営

代表者会議の運営を考えれば、川崎市外国人市民代表者会議の20年間以上の経験を踏まえることはできるし、私は4年間の経験があるので、それを生かしたいと思う。

まずは、会議は自主的であることは第一である。せっかく当事者のご意見を組み上げようとしているので、当事者に気になる話題について審議してもらうべきである。行政などが重視する問題と当事者が重視する問題が遠く離れる場合は少なくないし、これ自体は問題の一つである。

自主的であるとしても、事務局も必要になる。それは役所の中に置くべきである。代表者会議が10になると、専門とする室を設立しても良かろう。事務局の人件費などは、代表者会議の費用の大半を占めると予想する。事務局の役割は、条例の規定などを説明したり、会議の準備をしたり、課題について情報蒐集したりすることである。代表者は素人だから、このような支援を必要とする。提言の纏めも、事務局が会議の指示に従って作業を行う。

会議の人数だが、川崎市外国人市民代表者会議の定員は26人になっている。私の経験から見れば、これはちょっと多いのではないかと思う。外国人市民の場合、国籍などを代表するために人数を設定したと思うが、結局会議で分科会に分けないと審議がうまくいかない。一方、分科会に分けたら、全体会議で全ての審議内容を把握することはできない。他方、審議できる課題が増加するし、全体会議の運営は無理ではない。今の所、人数を少なくした方が良いのではないかと思っているが、さらに詳しく検討すべきである。ただし、26人を超える定員は良くないと断言できる。

会議には、委員長は必要である。委員長は代表者の中から互選で選ぶべきであるので、早い会議で選挙を行うことになる。この方法には問題があるが、改善策に思い付かない。問題は、選挙する時点で候補者についてあまり知らないことである。委員長として上手にできるかどうかは、実践でわかる。外国人市民代表者会議では、今まで大きな問題になっていないが、条例などで途中で委員長を変える手続きを定めるべきだろう。互選で誤選する恐れがある。

同じように、会議の運営は代表者指導であるので、最初の2、3回の会合を運営の試行錯誤で費やす。これも、仕方がない。ただし、外国人代表者会議の年8回の2年間の構造には問題があると感じる。つまり、審議時間は足りない。いつも何とかして提言を用意してきたが、毎回のようにギリギリで焦る。2年間の任期が良いだろう。長くすれば、負担が重くなるので、参加できる人は制限される。だから、1年に開催する会合の数をちょっと増やすべきだと思う。年10回だったら、十分だと思うが、お正月と夏休みを避けなければならないので、もしかして9回しかできないかもしれない。9回でも、2回の会合が追加されるので、審議がよりよくできるに違いない。

会合毎に3時間程度が良かろう。長いが、途中で休憩を入れたら無理ではない。そして、午後を丸ごと占める長さなので、2時から5時の便利な時間帯にできる。その上、審議の時間を充分獲得できる時間である。これは外国人代表者会議のやり方だが、この点で問題はないと思う。

そして、代表者会議の前に正副委員長部会長会議を開催するのは外国人市民代表者会議の習わしだが、それも必要だと思う。事務局と話し合って、会議の内容などを事前に確認すれば、貴重な審議時間が無駄にされない。確かに、これで委員長などに就任できる方が制限されるが、これも仕方がない。

一方、代表者になれる方の制限をなるべく撤廃すべきである。これは主に実践的な制限である。例えば、障碍者代表者会議では、徹底的なバリアフリーは必要である。介護者の代表者会議で、代理に介護を担う介護士を行政が提供する必要がある。介護の責任を持つ人は、勝手に会合に出られないからだ。そして、保育なども必要である。これは必要であるが、この努力にはより広い意味がある。広く参加してもらうために、何が必要であるかは、行政の職員が実感するからである。その実感は行政の他の催しにも働くはずだから、開いた社会に貢献すると思える。このような運営は当然試行錯誤で構成される。会議の範囲も、時間とともに広がって、ようやく対象者の誰でも参加できる形に至ると期待できるが、少なくともそれに数年間がかかる。最初から、なるべく制限はないように工夫するが、単純に思い浮かばない問題もあるはずだから、解決を待つしかない。

このような経験を生かすために、事務局には組織記憶は必要である。ある程度のマニュアル化は必要だし、役にも立つが、経験者が新任した職員に説明することも重要である。だから、役所内の異動の場合、このことに配慮すべきである。同じように、会議の任期の途中で事務局の顔触れが大きく変わると、運営の支障になる。だから、会議の任期は2年であれば、事務局の職員の任期を原則として4年として、2年毎に半分を異動させると良かろう。もちろん、それより長く勤めることも良いが、役所の異動は激しい。そして、代表者会議の事務局を経験した職員は、他の役職に貴重な経験を生かすことはできるので、ある意味でその異動は望ましい。

代表者の選任だが、行政が任命する選考委員会を通して選べば良い。選挙をするのは実践上難しいし、市議会などでもない。選考委員会には行政以外の第三者が参加するのは重要であるが、学識者や経験者を起用すれば良い。外国人市民代表者会議では、書類選考と面接があるが、その方法を考える必要がある。両方はできると良いが、例えば障碍者や介護者の場合、面接に出席すること自体は難しいだろう。会合自体のために支援を提供するとしても、全ての候補者に提供することはできないと思われる。この問題の完璧な解決策はないだろうが、意識しながら工夫するのは重要である。書類選考のみとすることも可能だし、場合によって派遣面接を行うことも可能であろう。

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