大晦日の大祓の儀式が終わるのは、暗くなってからの夕方を想定する。これで、家庭全員が物理的にも精神的にも清々しくなっているので、これからお祝いが本格的に始まる。
先ず、晴れ着に着替える。(便宜のため、お湯上りと共に着ても構わない。)
そして、家庭の神棚の前で一年の感謝祭を執り行う。これで、一年間で上手くいったことの感謝を祝詞で奉る。この感謝祭の御饌は、家庭のための楽しみにできるご馳走とするのは良い。但し、それは事前に用意して、大祓が終わったらつぐことができるご馳走でなければならない。家庭全員が儀式に参加するので、誰も料理することはできない。だから、大掃除の傍らで用意するしかない。ご馳走の内容を工夫する必要があるが、これは家庭が好む料理でなければ意味はないので、ここで具体的に何とも言えない。
この祭祀は主に普通の神棚祭祀の形式に則るが、大祓を済ませたばかりですので、御祓をまた行う必要はない。祝詞の中で、上手くいったことを指摘して寿ぐ。この祝詞は、神棚に奉斎される神様に向かって奏上するので、毎日の祭祀と同じように三つぐらいの分野に分けて感謝する。祭祀のために定めた分野に該当しないことについて感謝したいことは予想できるが、その場合氏神様への祝詞の中に組み入れても良い。氏神様は家庭の活動全般を見守る神様であるので、何でも適切になる。他の神様に対して違和感を感じてとしても、氏神様の場合は受け入れていただけるだあろう。そして、拝礼する。
拝礼が終わったら、代表者がお札を神棚から下ろして、食卓の上の札立てに奉斎する。神饌も神棚から札立ての前に移して、家庭が食卓を囲んでご馳走をいただく。おかわりをする人は、神饌から頂くこともできる。残すわけにはいかない。これで、一年間お世話になったお札と共食して、神様も御威を分かち合ってお札の役割の終了を認める。
これで、大晦日の神棚祭祀が済む。普通の神棚祭祀を省略する。これも、特別な日であることを感じさせるだろう。
食事が終わったら、片付けと皿洗いをするし、神棚の掃除もする。(大掃除の間に神符がまだ奉斎されているので、その時点でできない。)新しいお札をまだ奉斎しない。これで、一年間の普通の生活が終了する。これから歳神様が司る家庭で楽しむ時間になる。