社会参加

外国人労働者の搾取を防止できたら、日本人と共に日本で楽しい生活を送ることができるように措置を用意すべきである。行政に娯楽を提供する義務はないのは言うまでもないが、外国人労働者には日本人と接して楽しんだり、共同活動に貢献したりする機会はないと、社会問題の発生は見込まれる。外国人労働者は孤立の気分で、周囲の社会とのつながりを感じなければ、自分の行動がどうその社会に影響を及ぼすのかについて関心を持つことは難しい。(これは、外国人労働者に限る問題であるわけではない。貧困層の間にも、富裕層の間にも発生する。)そして、日本人と移民の間の摩擦や軋轢は、親しみによって防ぐことはできる。

このような措置を「社会参加」と総括する。町内会への参加は典型例だろうが、週末に一緒にボーリングしたりお互いに手作り料理を捧げたりする行動もこの例になる。重要な要素は、外国人労働者と日本人が対等な関係で接して、友好な気持ちを醸すことである。

考える瞬間で、行政が直接できるはずはないことは明白であろう。人の趣味はそれぞれだし、強制的に楽しませられた人は普通に楽しめないので、効果は無かろう。つまり、行政が市民団体の活動を促進することになる。

政策として、情報提供は一つである。例えば、市民グループが開催するイベントの情報などの宣伝を支援する行動が役に立つと思える。このために、法整備は必要であるらしい。川崎市の委員会に勤めた時、このような提案はよくあったが、行政側は「市民団体の情報を提供するのは難しい」と難色を示した。情報の正確ではない恐れは主な理由だったそうだ。だから、行政には責任はないことを法律で定めて(重大な過失や悪意はない限り)、情報の共有を促すことを義務とすれば良かろう。

そして、公民館などの貸し出しで場所を提供したり、住民の研修会を開いたりすることで、日本人側からの誘導を促すこともできる。もちろん、外国人労働者は主催者になりたい場合、それも支援すべきである。来日したばかりの方はそうしないと思われるが、数年間の経験を持つ人は違うかもしれない。特に効果のある活動を顕彰することも良かろう。顕彰の場合、その賞を目指す活動してもらうことより、模範を広く見せる目的の方が重要なので、顕彰事業の詳細も公表すべきである。

この側面でも、雇い主に義務を課すべきだろう。それは重い義務ではなく、ただ余計に社会参加を妨げないことを義務化する。長時間労働は労働条件で禁じられているが、例えば一年間の祝日を少なくとも6割を休日とする義務なども重要である。イベントは祝日に集中すると思われるが、日本の社会との絆をまだ持っていない外国人労働者は祝日勤務を受け入れる可能性は高い。それを制限して、社会参加を促すことはできる。同じように、職場が街から遠ければ、交通手段があるように措置する義務も良かろう。路線バスが職場や寮の近くにあれば十分だが、それはないとマイクロバスで街まで送迎する措置も義務とすべきであろう。

要するに、規則で参加できる環境を保障して、参加自体を促すことは大事であると私は思う。帰国してから日本での友達と連絡を取り続ける状態は望ましい。それで、外国人材は材料だけではなく、人間としても日本で認められた結果になるのではないか。

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