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縦の絆

縦の絆というのは、家庭の祖先と子孫との絆である。家庭は血縁の家族であれば、祖先も子孫も共有するが、そうとは限らない。核家族でも、父の祖先と母の祖先が違うし、息子の子孫と娘の子孫も違うはずだ。大家族の場合、子孫が分かれることは多かろう。そして、家庭は血縁や婚姻関係ではない場合、個人個人で完全に異なる可能性もあろう。そのため、もう少し抽象的に考えてから、具体化したいと思う。 祖先は過去であるが、子孫は未来だ。この事実を踏まえて、根本的な違いがある。それは、現在の行動は過去へ影響を及ぼさないが、未来に影響を大いに与えることだ。どこかで「より良い過去の希望を諦めなさい」との言葉を見たことがあるが、正しくその通りだ。一方、未来を良い方向へ導くことはできるのではないか。少なくともそれを目指す。...

新年の奉斎

元日に起きてから、食べる前に神棚にお札を奉斎する。まず、手水などをして、正装に着替える。(大晦日と同じように、和装が良かろう。)そして、家庭と神棚の御祓を行う。 それから、お札を奉斎する。お札を年末までに入手して、綺麗な場所に奉安するが、拝まない。家庭の代表者が宮型にお札を入れたら、新年の祝詞を奏上する。 この祝詞で新年の計画と方針を明言する。特に、反省の結果で目標を変えることとしたら、その変更を明らかにする。場合によって、奉斎するお札も変わっただろう。そうなら、去る年の最後の神棚祭祀で感謝を込めて神様を神送りするが、新年で新しく奉斎する神様を歓迎する。...

歳神様

歳神様は、賓の神様である。つまり、遥か彼方から寄っていらしゃって、暫くの間の祝いを見守りながら祝福を与えてから、また常世に帰る神様である。お正月の祭祀で、楽しむ期間を司る神である。 歳神様を迎えるために、歳神棚が必要となる。これは普通の神棚と違う場所に設けるべきであるが、専用の棚ではなくても良い。箪笥などの上綺麗にして、布や和紙を敷いて臨時歳神棚を用意しても良いのである。賓{まれびと}の神様だからこそ、常設の奉斎する場所は要らない。 この歳神棚には、歳神様の依代になる神籬は必要である。そもそも、門松がこの役割を担ったと言われるので、松を使った門松のような飾りで良かろう。常緑樹が使われるのは相応しい。そして、榊を両側に立てて、狛犬のように新年の干支の動物の置物を守るように置けば良かろう。 神籬の前に、鏡餅をおく。鏡餅はそもそも歳神様への御饌だったそうであるから、ここでも欠かさない。...

一年間の感謝祭

大晦日の大祓の儀式が終わるのは、暗くなってからの夕方を想定する。これで、家庭全員が物理的にも精神的にも清々しくなっているので、これからお祝いが本格的に始まる。 先ず、晴れ着に着替える。(便宜のため、お湯上りと共に着ても構わない。) そして、家庭の神棚の前で一年の感謝祭を執り行う。これで、一年間で上手くいったことの感謝を祝詞で奉る。この感謝祭の御饌は、家庭のための楽しみにできるご馳走とするのは良い。但し、それは事前に用意して、大祓が終わったらつぐことができるご馳走でなければならない。家庭全員が儀式に参加するので、誰も料理することはできない。だから、大掃除の傍らで用意するしかない。ご馳走の内容を工夫する必要があるが、これは家庭が好む料理でなければ意味はないので、ここで具体的に何とも言えない。...

大晦日の大祓

お正月の伝統の重要な一部は大祓である。それで半年の穢れを祓えて、居住を歳神様を迎えるために整える。大掃除もその大祓の一部である。物理的に綺麗にする行動は御祓の重要な一部であるからだ。 年末で計画を見直す祭祀の中で、大祓は勿論失敗を認めて、新年に繰り返さないように決意する部分に当たる。 では、式次第を考えよう。...

計画の見直し

お正月の祭祀は歳神様を迎える儀式から始まったと言われるが、この歳神様は穀物の神であるという。来る年の豊穣を祈る意味とともに去る年の収穫の感謝を表す気持ちも入っている。農業離れの社会で、祭祀に意味を込ませるために、視野を広げなければならなかろう。 人生の計画を対象とするのは前述の提案であるが、まずその内容を考えたい。祭祀の形を考える前に、目的をはっきりしなければならないからである。...

年中行事の役割

家庭祭祀の中で、原則として毎日執り行う祭祀に加えて、年中行事があるかと思われるだろう。神社の場合、毎日の日供があるが、秋祭などの毎年執り行う祭りの方が目立つ。しかし、神社を真似するために年中行事を導入するわけにはいかない。家庭祭祀としてどのような役割を担うかをきちんと考察しなければならない。 毎日の家庭祭祀と違って、年中行事は非日常になるのが良いのではないか。毎日の祭祀がちょっと大きな規模になることに止まったら、精神的に強い存在感はなさそうだ。そのため、時間をかなり使って、普段しないことをするのは良い。...

禊祓の儀式

家庭祭祀の禊祓を具体的にどうやって行えば良いのだろうか。 まず、沐浴と合わせて行うのが良かろう。毎日体を洗うのは原則であるので、合わせたらやりやすくなる。家庭内の日常の一部にしたい儀式は、日常生活の妨げになってはならない。そして、沐浴は実に御祓になるので、適切な基盤である。 動作として、神社での御祓の儀式で、何かを左右左に振ることは多い。祓え串とか塩水とか切り麻などが振られているが、その三回の動作で儀式の色が付く。だから、家庭の禊祓にも同じ動作を導入すれば良い。ただの体洗いではないと意識するのは重要である。 洗面器にお湯を入れて、左肩、そして右肩、そして最後にまた左肩に掛ける動作で御祓を行うと良かろう。自分で簡単にできることだし、お風呂の作業に簡単に入れられるので、大丈夫だろう。 その前に、祓詞が必要となろう。言葉はないと、儀式の意味を意識することが難しくなるからである。...

禊祓の目的

神棚祭祀以外の禊祓も家庭祭祀の一部として導入すれば良いと思う。それは、当然穢れの対策である。 まずは、汚れた体を綺麗にする必要がある。普通の沐浴は禊の重要な一部である。そして、この目的を家庭の中で重視するのも良い。汚れの穢れも重要な穢れであるので、惟神の道を歩めば、体を物理的に綺麗にすることも重要。 これは穢れを実際に祓う役割である。体を洗ったら、汚れの穢れは洗い流されるので、穢れがなくなる。しかし、これで止まらないと思う。穢れについての投稿で論じたが、穢れを無くすために、原則としてその穢れの実態を直すべきである。病気になったら、治るのが良い。生活が乱れていれば、その乱れを直す。体が汚れたら、洗う。この原則を忘れてはいけない。このような問題と取り組まずに儀式に依存すれば、結局穢れが溜まるので、悪影響が時間と共に大きくなる。...

神棚祭祀の御祓

神棚の祭祀は家庭内の毎日の祭祀ではあるが、祭祀であることは変わらない。祭祀は、日常生活と区切りを入れて行うべきである。そして、祭祀は、穢れが入らない時空間として見立てる。神饌の投稿で、神棚祭祀の後で神饌を夕飯として食べるのは良いと述べたが、それで夕飯が祭祀の最後の区切りになる。 祭祀の開始の印になるのは、当然御祓であろう。御祓で穢れがない状態を見立てるし、祭祀を執り行う心理も導入する。但し、家庭祭祀を毎日の行動としたいなら、御祓を長くしない方が良かろう。 祓詞として最短の「祓え給い、清め給え」は十分だろう。そして、できれば代表者が祓え串でまず自分を祓え、それから神饌と他の参列者を祓える。 儀式の次第とすれば、下記の通りだろう。 まず、祓え役が祓え串の前で一礼する。 そして、「祓え給い、清め給え」という祓詞を唱える。...

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