天宇受売神といえば、やはり神楽は重要である。だから、宇受女塾から神楽を削除してはいけないだろう。同じように、神楽で天宇受売神が裸になって踊ったことも見逃すわけにはいかない。これは、一体どのように考慮すべきなのだろうか。
まず言えるのは、天宇受売神の神楽は激しかったようであるので、運動になり得る。運動は人間に取って重要であるので、神事の要素を無視しても価値がある。そして、宇受女塾であれば、神事を盛り込むのは相応しいので、神事での神楽を一部とするのは良かろう。
では、裸になることはどうだろう。提案すれば抵抗感を感じる女性は多かろう。
だが、だからこそ提案したいと思う。
なぜ抵抗感を感じるのだろう。「してはいけないことであるから」と言ったら、これは神話で大役を果たした神の真似であるので、どこが悪質なのだろうかと反論できる。そして、宇受女塾の中ですべきことだと指定すれば、「してはいけない」わけではない。
より掘り探れば、「恥ずかしいから」と言うことになることは多いのではないか。では、なぜ恥ずかしいのだろうか。私の持論で、「恥ずかしい」は自分の弱点や脆弱のところが見られたことで発生する気持ちである。自分が悪いことをしたことが発見されたとは違う。（英語で、「ｅｍｂａｒｒａｓｓｍｅｎｔ」と「ｓｈａｍｅ」でうまく区別できるが、日本語でもう少し難しい。）例えば、私が日本語で間違えたら、恥ずかしく感じる。しかし、２０代から日本語を勉強してきた外国出身者であるので、日本語を時々間違えるのは当然だし、決して規則違反等の悪いことではない。但し、私の弱点であることは間違いない。完璧な日本語で話せる方が強いのは否めない。裸で見られることも同じであるのではないかと思う。普段隠す体の不備が露わになるので、又は社会の服装の指定に従えなかったことが明らかになったので、恥ずかしく感じるのではないか。
しかし、これも、私の日本語能力のように、特に恥じる必要はないことなのではないか。確かにモデルのような体を持つ女性は少ないが、それはモデルがモデルとして働ける理由である。その普通の体には問題がある証拠ではない。自分の体を容認して、恥ずかしく感じないことは重要である。健康のために体重をある程度コントロールするのは良いし、自分の理想のために化粧することも構わないが、体を肯定的に見えないなら、自信には大きな欠点がある。
そして、他の普通の人の体を見たら、自分の体はさほど悪くないことが分かるのは普通である。（日本の温泉文化はこの観点からすごく良いと思います。）同じように、見られるように慣れたら、恥ずかしい気分がなくなる。だから、神楽の練習を原則として裸で行ってもらうべきだと思う。段階的に法被と褌姿で始まるだろう。ちょっと慣れてきたら、法被なしに舞うことにする。最後に、自信が身についたら、褌も不要として、素っ裸でやる。最初はもちろん男性を排除するが、最後は男性が参列する神事で奉納することは目的とする。男性に見られるのは嫌なら、まだ完成ではないからだ。（ところで、女体を好む女性の損税を忘れてはならない。）
しかし、踊りは猥褻な踊りではないのは重要である。激しい神楽になるが、女体を好む人を喜ばせるためではない。それも重要である。自分の体は自分のために働くのは基本である。
完成した状態でも、普段服を着るのは当然だ。自分の恥ずかしさを防ぐために着るだけではないからである。防寒や日差しを遮る機能もあるし、社会的な地位を示す機能もある。神楽を裸で奉納する場合、実際に服はないことが社会的な地位を示す。その上、裸であれば、女体を好む人の迷惑になる。ありがたか迷惑より本気で有難い迷惑と感じることもあろうが、それでも迷惑である。集中できないし、その場の仕事にミスが発生する。
ただ、天宇受売神のように、裸になることは適切である場合、堂々となれる精神は、自信の一部であるとも言えるのではないか。
