結果の意味

仮にその結果が出るとしても、それで神様が存在すると言い切れるだろう。

勿論、そうではない。まず、この結果の説明は神様ではない可能性がある。実験の設定等を詳しく調べないと、その可能性に十分配慮しなければならない。そして、本当の確率は5割でも、この結果が偶然に発生する確率は20分の1である。高くないが、極めて低いとは言えない。「この飛行機が墜落する確率はただ20分の1だ」と言われたら、乗るはずはないだろう。

ベイズの定理を使って、確率を考えることはできる。

では、220の結果が得た上で、神が存在する確率は何だろう。まず、神が存在すれば、この結果を得る確率は重要である。それは95%であるとしよう。実はそうではないが、それは6割の確率でこの結果以上が出る確率である。そして、神様が存在しない場合、この結果が出る確率を5%とする。これも厳密に言えば、正しくない。それは、本当の確率は5割である場合この結果を得る確率である。でも、これも使える。

しかし、重要なのは、神の存在の事前確率である。存在するとは思えないことであれば、実験の後でも存在するとは思えない。この事前確率は大変重要である。私が「昨日、走っている犬を見た」と言ったら、信じてもらうはずだ。勿論、嘘をついた場合もあるし、間違った場合もあるが、その確率は低いし、犬が良く走るので、信じるべきである。一方、「昨日、走っている狛犬を見た」と言ったら、信じてもらえないだろう。嘘や間違いの確率は変わらないが、狛犬が走る事前確率は極めて低いので、結局信じない。

ベイズの定理でこのような確率を元に計算できる。

では、神の存在の事前確率は何だろう。これで科学方法の問題の一つが浮き彫りになる。確率を選ぶしかない。

それで神の存在の事前確率を5割とすれば、どうだろう。その場合、実験の後で、神が存在する確率が95%に上る。素晴らしい!

一方、神の存在する事前確率を5%とすれば、大きく違う。実験後の神が存在する確率が50%に止まる。

神の存在の事前確率をどうすれば良いのだろう。私はさっぱり分からない。日本では長い伝統があるが、その伝統が日本に限る。日本にしか存在しないのなら、その理由も思い浮かばない。世界中に存在すれば、同じ伝統が各地にはない理由うを探らなければならない。

では、確率から離れよう。この実験に基づいて、何も言い切れないことを潔く認めよう。ただ、結果を見て、その次の実験を考えることになる。その考察の内容は、結果次第であるので、現時点では何とも言えない。結果が出なければ、まず御神籤のやり方を変えると思う。結果が出たら、その大きさなどを踏まえて次の一歩を考える。

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