石炭を使う火力発電所が大量な二酸化炭素を排出するのは周知の通りだ。それで気候変動が起こり、海水面が上昇することもよく知られている。その結果、太平洋の小さな島国が近い将来に完全になくなる。島が沈没するからだ。SFではなく、現実だ。
では、ある施設が直接的に国の全滅を脅かして、今現在その過程を進めたら、どうすれば良いのか。最近の変更だが、敵地の基地を破壊する能力は、日本の平和憲法のもとで持ってもいいとの解釈が日本政府に認められている。そして、国に脅威があれば、その脅威を退くために行使しても良いとも解釈している。
この考え方を適応すれば、太平洋の小さな島国が爆撃機で日本の石炭の火力発電所を爆破しても、国連の憲章に従っている。今現在国の全滅に向けて働いている施設を破壊している行為だ。正当な自己防衛にすぎない。それは違法であれば、北朝鮮の核兵器を破壊することは明らかに違法である。北朝鮮の全ての核兵器が日本にあたっても、日本が沈没しないので、全体的な脅威の程度は発電所の程度より低い。そして、一つの火力発電所は当然島国を沈没させられないが、一つの核兵器は日本を破壊することもできない。体験したし、まだ生きている。
そして、石炭発電所の破壊はテロ行為ではない。テロ行為は、一般市民に恐怖を感じさせることで、自分の政治的な目標に達成しようとする行動である。島国を救うために、恐怖は不要である。発電所が破壊されたら、仮に市民が喜んでも構わない。脅威を排除するための行為であるし、脅威の直接的な原因も狙う。
もちろん、脅かされた国がこのような対策を実現したら、発電所の持つ国が反発する。その不当な脅迫で国の自己防衛を抑制できるが、できるからといって倫理的に許されるとは限らない。
適切な対策は明白だろう。石炭の火力発電所を即座に閉鎖すべきだ。閉鎖してから、解体する。令和10年までに物理的にできるのではないかと思う。(閉鎖は、命令さえ出せば、数週間以内できるはずだ。解体にはもう少し時間がかかる。)
確かに、化石燃料の発電所を持つのは日本だけではないし、より多く施設を持つ国もある。それでも、日本の場合は特に深刻な問題であると言えよう。戦争を放棄したとはいえ、この施設で他国の破壊を計らっている状態は理不尽なのではないだろうか。共存共栄を本当に目指していれば、石炭の利用を廃止すべきである。化石燃料一般の廃止も重要であるが、一番喫緊であるのは石炭の利用禁止だ。
しかし、外国の破壊をもたらす施設を維持するのは、現在の政権の方針である。野党も変わらない。閉鎖の経済への打撃を訴えている。確かにその打撃は大きいが、急務として緩和策を実現しているとは到底言えない。脅かされた国が自己防衛の権利を行使しても、文句を言う立場にはいない。