外国人材の労働条件も考えなければならない。人手不足を解消してくれる日本の恩人になる外国人労働者を苦しめるわけにはいかない。
基本的に、日本人労働者と同じ条件を満たす義務を雇用先に課すべきである。日本人も外国人も同じ人間であるので、差別する根拠はない。その上、条件は同じであれば、外国人労働者は日本人の雇用を奪えない。賃金などの条件は同じでれば、日本人を雇おうとすることは大半であると思わざるを得ない。なぜかというと、言語の壁や文化の違いなどの問題は本当に職場で円滑な働き方を妨げるからである。できれば、そのような問題を回避したい考えは当然である。
確かに外国人労働者を低賃金で長時間労働を課すことができる状況であれば、外国人労働者の方が雇い主にとって甘い。しかし、それは搾取である。外国人の搾取を防ぐこと自体は、日本人労働者の不利益を防止する。このような政策は必要不可欠なのではないか。
先ずは、日本人と同じ最低賃金は勿論のことである。そして、賃上げを日本人と同じ基準で行うべきである。つまり、男女と同じように、同じ労働同じ賃金にすべきである。
そして、労働時間も日本人と同じように制限すべきである。実は、これで日本人労働者の場合も問題になっているので、同じ基準を確保しても搾取の恐れを払拭しない。しかし、日本人労働者より好ましい条件を導入できないので、とりあえず日本人と同じ制限で、その共通制限を改善していくべきである。
外国人労働者の場合、住居も問題になる。海外から日本の住居を探すのは大変だし、入居差別はまだ問題であるので、見つけても入れるかどうかは心配になる。そして、農業などの仕事は、都会から離れた地域で行うので、賃貸のアパートなどは少ない場合も多かろう。だから、雇用先が住居を提供することも少なくないようである。これ自体は問題ではない。問題どころか、労働者への称えるべき配慮である場合は多いと思う。しかし、搾取と繋がる恐れもある。
住居は雇用と結びついていれば、退職すれば居場所を完全に失う。それで抵抗する立場が極めて弱くなる。だから、行政が住居の提供に条件を課すべきである。先ず、提供された住居に住むことを労働条件とすることを禁じるべきである。別なところで住みながら働かせなければならない。そして、賃貸料に制限も設定すべきである。搾取の方法の一つは、賃金を妥当なレベルに設定するが、提供する住居に割高な賃貸料を設定して、賃金を回収することである。それを防がなければならない。最後に、解雇の場合、3ヶ月の居住を認める義務を課すべきである。3ヶ月で新しい勤め先や住居を見つけることはできると思われるが、急遽引っ越させられたら、大変困ることは少なくない。普通の賃貸の契約でこの条件が事実上満たされる可能性は高いが、例外はないように気をつけなければならない。
最後は出世である。5年間限定の在留資格の労働者は大きく出世しないのは当然だが、出世への道を開くべきである。賃上げだけではなく、責任を持って指導する職や高級な技能を認める職に就く機会を与えなければならない。これも、日本人と同じ待遇の一部である。これを規則に明記しても、実現を保障することは極めて難しい。個人の場合、ただ管理職に向いていない可能性を排除できないからである。しかし、統計を集めたら、ある職場で外国人労働者の出世は鈍いことは判明できるので、行政指導を行うこともできる。(男女差別を明らかにすることもあろう。)
このようにしたら、外国人労働者が雇用に満足する確率が上がると私が思う。