教育の結び

教育は産霊の発展に重要であるので、先生と弟子の間の結びも重大である。だけど、特別な結びとして位置付けるべきかどうかについて考えたいのである。

他の結びを考えれば、候補は職業の結びだろう。教育の結びは明らかに恋愛や家庭ではないし、郷土や友人でも相応しくないだろう。しかし、職業の結びには共通点がある。或る計画のために一緒に動くと言える。その計画は弟子の成長を実現することであるので、普通の職業の目的とちょっと違うが、職業は多種多様であるので、これは大きな問題にならない。そして、教育の結びは、職業の結びと同じように、限定されている。先生は、教育の範囲内弟子に指示を出すことはできるが、その範囲を出ることはできない。

この共通点を考えれば、職業の結びとして位置付けることは不可能ではないと判断するだろう。一方、教育の結びには特別な要素があれば、区別した方が良い。

気になる点は一つある。これは、親子の結びとの共通点である。普通の職業の結びで、お互いに責任を持っている。しかし、教育の結びは、親子の結びと似ている点がある。弟子の責任は、先生に対する責任ではなく、自分に対する責任である。つまり、弟子は自分の成長のために動くべきであるので、先生の指導に従うべきである。先生に対して指導に従う義務を負っていない。従わない場合、先生はただ弟子が成長しないことを惜しむに過ぎない。一方、先生には義務がある。弟子の成長になるべく貢献する義務である。

この相違点は、結びの種類を区別するほどであるのだろう。職業の結びは原則として対称的である。お互いの義務などの質は同じである。上司と部下でも、部下が命令に従う理由は、上司が命令を出す理由と同じである。計画の実現のためです。そして、計画が変わらないうちで、上司が部下になって、部下が上司になることもある。それは、必要な経験と技能が変わる場合である。教育の結びは違う。非対称的であるし、弟子が先生になることは、新しい結びを作った証拠である。対称的になることはあるが、それは一つの結びではなく、二つの結びが「偶然」同じ人を繋ぐことになる。

その上、よく考えれば政治家と住民との結びも似ている。政治家の義務は、住民の産霊の発展を確保することです。そのために法律を作ったり、税金を徴収して支出したりする。一方、政治家に対して住民は義務を負わない。政治家の目的のために住民が動くわけではない。

政治家と住民の結びは重要であると思うし、職業の結びではない。しかし、独特とすれば、政治家が威張れるような形になる恐れがある。先生の立場と同じように考えれば、いい結果になるだろう。先生も、政治家も、原則として尊敬されるが、根本的に弟子や住民に仕える立場である。要するに、教育の結びも重要な種類の一つとして見做したいと思う。