参籠というのは、神社やお寺で泊まることを意味する。日常から完全に離れて、祭祀等に専念することは目的である。 しかし、大きな問題がある。それは、人間が何でもに慣れることである。非日常な環境でも、人間はすぐに慣れてしまう。特に、毎日同じようなことが起こったら、それは日常になる。つまり、毎日朝一番のご祈祷に参列すれば、すぐにハレではなくなる。 別な側面から見れば、参籠は潔斎の意味も持つ。重要な祭祀の前に一晩籠って、清浄な状態になることはある。そして、一晩であれば、もしかして慣れることはなかろう。だから、まずそのパターンを考えたいと思う。...
禊
更に日常から離れてもらうための儀式として、禊が良いと私は思う。これで、目的は禊自体ではないので、寒中の禊などと意図が明らかに違う。寧ろ、この禊の目的は神事をはっきり日常と隔離させることである。だから、神事に参加しないと意味はない。 禊の基本は水に浸かって穢れを流すことであると言えよう。体を物理的に綺麗にすることも含まれているが、体を洗うだけは非日常ではない。俗界を出る儀式とすべきであろう。 だから、まず素っ裸になる。そして、洗い場に入って、体を洗う。洗い場から、禊場に進む。禊場で、水に浸かって、禊の祝詞を奏上してもらう。そして、お水から上がって、体を拭いて、純白の和装に着替える。...
昇殿参拝
昇殿参拝でハレの気分を醸すのはそれほど難しくないだろう。普段しないことですし、参拝する前に手続きは必要であるので、参拝に集中することは当然である。参拝者は外国人観光客であると尚更だ。日本にいると常にハレであるので、神社に参拝することも当然ハレになる。 それでも、さらにハレの気を醸成するように努めると良かろう。 まずは、原則としてスマホなどを拝殿に持ち込ませないようにすると良い。これで、実践的な効果もある。スマホをマナーモードに設定するのは常識だろうが、忘れる場合があるのは避けられない。神事の途中で携帯が鳴ると不適切であるのは言うまでもないが、気を奪うことも多いのだ。だから、社務所で保管させてもらうのは良い。そして、スマホなどを渡すことで、日常ではない環境に入っている気持ちにもなるだろう。もちろん、安全な保管場所がある神社に限るが。...
普通の参拝
ハレを確保する方法を考えれば、やはり一般の参拝は特に難しいだろう。一般の参拝で、ただ神社を通り過ぎる時に寄り道して、社頭に立って拝礼するので、日常の用事の真っ最中である。参拝者側から考えれば、鳥居をくぐる前に祓詞を静かに唱えるのは良かろう。祓詞を思い出して、口にすれば、日常からの距離を置くと思われる。確かに、祓詞を暗記しなければならないが、それほど長くない。(大祓詞ではない。)しかし、ここで主に神社側から考えたいと思う。...
祭祀とハレ
日本の民俗学では、ハレとケが区別される。ケは日常を、ハレは非日常を表す。私が見た限り、普段そのままカタカナで表記されているので、もしかして元々の漢字は常用漢字ではないか、意味が時間とともに移ろいできたかと思う。神道や祭祀についての文脈で出会うと、ハレが祭祀を指すことは殆どである。つまり、祭祀は非日常であることは通説であるようだ。 私もそう思う。では、なぜだろうか。 神様実在想定から考えれば、すぐに説明できる。祭祀で神様にいつもより近づくので、特別な場面であることは決まっている。...
アメリカの実例
ここで主張している非常事態宣言のあるべき形を裏付ける実例が先日発生した。アメリカのトランプ大統領が平成31年2月15日に非常事態を宣言した。そのきっかけは、大規模な自然災害やアメリカへの襲撃ではない。寧ろ、ただ単に国会が自分の政策を実行するための予算を供給してくれないからである。...
初穂料
現在、神社にお参りすれば、賽銭箱に小銭を入れるのは習慣だ。(赤玉は多いそうですが、「ご縁」に因んで5円を捧げることは多いからだろう。)そして、正式参拝すれば、初穂料を熨斗袋に包んで奉るのは作法である。裸で金銭を渡す人もいるそうだが、それは避けたいのだ。...
占いを踏まえて
では、仮に占いから模様を読み取ったとすれば、それからどうすれば良いのだろう。 これで、神の意思を把握する方法ができたので、この占い方法を使って、まず神を敬う方法を特定する。直接に話しかけて、答えをもらうことはできないだろう。寧ろ、選択肢を提供して、指摘の通り祭祀を執り行う。...
占いの裏
占いの結果には模様があれば、それは神の意思の表現であると定義してきた。しかし、本当にそうであるのだろう。何か別な存在が邪魔をしている可能性にも配慮しなければならないのではないか。 驚くことに、そうではない。何故なら、現時点で神の本質が全く分からないからである。そのため、神社で執り行われた神事に関与する存在で、目で見えない存在で、そして超自然的に関与する存在は、神であると定義できる。神道では、神の質について決まっていないので、事実はなんであっても、神であると言える。 具体例を考えよう。...
模様はない場合
占いで何も模様が見えてこない場合は、どうすれば良いのだろうか。 一つの選択肢は神の存在を否定して、計画を止めることである。それは科学的な方法なのではないかと思われるだろう。しかし、科学のやり方を検討すれば、本当は違う。一つの失敗で完全に辞めるのは大きな間違いで、科学の進歩を妨げる。科学者が実践の中でこのことを理解する。 結果が出ない理由はいくつかも考えられる。一つは、確かに神が存在しないことである。当然、存在しないと、神社にとって好ましくないし、意識を検討する方法がなくなる。それでも、事実はそうであれば、残念であるが、認めるべきである。...
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