創造

創造

一般で抽象的に言えば、創造はこの世に新しい存在を出すことである。

広い意味で捉えたいのだ。彫刻を作るのは創造であるのはいうまでもないが、物体にならない詩を詠むことも創造である。歌の作曲だけではなく、歌を演奏することも創造の範疇に入っている。新しいパソコンの設計を定めることは創造であるし、その設計図の通りパソコンを組み立てることも創造である。レシピに従ってケーキを作ることも、創造。家庭を設けることも、パーティーを開くことも、創造。子供を産むことも。考えれば、創造の範囲は非常に広い。

それでも、何でも創造であるわけではない。読書は創造ではない。ただ本の内容を受け入れることなので、新しい存在を出さない。サッカーや野球は創造ではない。勝負を決めるが、劇と違ってその過程を見せるためにやるわけではない。掃除は創造ではない。あとで同じものがあるが、綺麗になった。探求も研究も勉強も創造ではない。発見は、新しい存在を出さない。発見される前に存在していたからだ。勉強は特にそうである。自分にとって新しい内容であるが、先生にとって懐かしいだろう。

この区別は一応分かってもらえると思う。しかし、哲学者が読めば、反論するだろう。

「勉強すれば、私の頭の中で新しい知識が発生する。野球で試合の存在が出されるのは否めない。掃除も料理も物の配分の自分の好みにすることにすぎない。特に、サラダの作り方と本の片付けは似ている。サラダを作るために、野菜を複数の場所から集めて、計画通りに配置する。本を片付ければ、本を複数の場所から集めて、計画通りに配置する。違いはないだろう。だから、料理は言われるように創造であれば、片付けも必然的に創造である。」

確かにこのような問題がある。何の行為でも、起こったと言えれば、この世に何か過去と違った状態があったはずだ。その違った状態に焦点を当てて、「創造」と名付けることはできるのではないかという反論である。

哲学的にそう言えることはともかく、惟神の道の中の創造にもう一つの条件を付け加える。それは、新しい存在を出すことに加えて、その新しい存在を出すために動いていることである。何かを片付けたら、片付けた後の状態を生むためより、散らかされた状態をなくすために動く。野球の試合で、勝負を決定するために動く。その過程を見せるためではない。対象の例を考えれば、これは明らかとなる。アメリカのレスリングは、本当の勝負ではないそうだ。結果は事前に決まっていると言われる。つまり、目的は過程を見せることである。ファンはそのことが分かるが、それでも楽しく見るようだ。一方、野球で結果は事前に決まったことが分かったら、試合で見せられた技はいかに素晴らしかったとしても、観客は裏切られた気持ちになるだろう。

勉強はもう少し曖昧だろう。ある立場から見れば、その新しい知識のために動いているのではないか。そう言えるかもしれないが、惟神の道で勉強を成長の一部として勧めるので、創造の一種として見做せるかどうかは重要ではない。いずれにせよ、産霊に入る。

その上、この概念の目的は人の人生を厳しく制限することではない。むしろ、積極的で能動的で肯定的な生活を提供するためである。その観点から見れば、本人が出された新しい存在に重点をおいて、或る行動を創造の一種として捉えても、全く問題にならない。

実は、これでもう一つの問題に対応できる。破壊も創造として描写できる。建物を爆破すれば、穴を作る。だから創造だ、と。これで、穴を作るために動けば、創造として認める。それで評価するかどうかは、すぐに答えられない。二つの問題がある。一つは、創造の種類のそれぞれの価値である。建物を作る価値と穴を作る価値である。もう一つは創造活動をどう制限すべきであるかという問題である。この問題は、惟神の道全体と関わるので、「創造」の説明の中で答えられないが、重要であるから、別なところで答えと取り組む。

2 コメント

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  • 世の中とんでもない化け物がいる。
    廣津留すみれ。
    公立小中高からハーバード大、ジュリアード音楽院を卒業し、最優秀音楽賞を受賞。
    ハーバード大時代は教授を説得し、卒業論文にコンサートを加えさせ、先日連夜の猛練習など行動力も然ることながら、渉外能力も高い。

    https://diamond.jp/articles/-/171940
    彼女もまた、創造したよ。

    1929 – Early Sound Footage of Kyoto, Japan
    https://www.youtube.com/watch?v=ORHAjgDNoa8

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