性と未成年者

子供は同意できないので性的な行為はダメであるとよく言われる。結論には異議がないが、根拠は間違っていると思う。その間違いから重要な方針の間違いが生まれると思うので、正したい。

まず、性的な行為に同意できなければ、猥褻な行為もできない。猥褻な行為に見えることはできるだろうが、わいせつな行為にならない。6歳の子供を考えれば、誰でもその通りであると思うのだろう。6歳の子が性的暴行の疑いで逮捕されたと聞いたら、警察官の方が馬鹿だと思うのではないか。しかし、16歳の子であれば、そう考えない。16歳で、実際にもう性的な行為に同意できる。法律上できないとする法令は多いが、それは法律上の作り話であるので、法律の根拠にはなり得ない。では、子供を二つに分けられよう。本当に同意できない幼い子供と実に同意できる成長してきた若者。その境は12歳前後だろう。それより若ければ、性的暴行などはできないと感じるが、それを超えたらそうとは思わない。(法律のために詳しく決めなければならないが、問題を論じるためにこの周辺に境があることは十分であるし、子供によって違っても構わない。)

本当に同意できない幼い子供から始めよう。ここで問題になるのは、この年齢の子供の同意を一切に必要としないことである。寧ろ、この年齢の子供の同意を優先すべきではない。強制的にやらせるべき場合は多い。

「寝たくない!」「学校に行きたくない!」「歯医者は絶対嫌だ!いやいやいやいやいや!」

勿論、子供にいつもやりたくないことをやらせるわけではないが、子供の同意は重要である場合は非常に少ない。(例えば、誕生日パーティーの会場には同意はないと意味はないだろう。)上手に子供を育てるために、子供の意志を尊重する場合と無視する場合を巧みに区別しなければならない。正しくするのは難しいのは事実である。では、強制的な行為は許されるどころか、求められる状態で、性的な行為は何故ダメなんだろう。その理由は、色欲の誘惑の強さである。

一般に、親や保護者が子供の利益を考えて、自分なりにその子供の利益のために決めると思われている。(子育てを論じる投稿で、この問題についても論じたいのだが、ここで割愛する。)しかし、色欲は非常に強いので、色欲が関わってくると、本当に子供の利益のために行動するのかは疑わしい。その上、性的な行為が幼い子供の利益になる場合は非常に少ないと考えられるので、利益になると思う人の殆どは自分の色欲に騙されている。(単純に自分の意欲のために子供を使う人から子供を守るのは当然だから、子供のためであると思う人を考えるべきである。)だから、いかに子供の利益のためであると確信しているとしても、子供に対して性的な行為をするわけにはいかない。それは惟神の道の倫理的な見方である。

では、幼い子供から性的な行為の依頼が自発的にくるとどうしたら良いのだろう。これで、子供が自発的にお酒を飲みたいと言い出す場合に例えよう。性的な行為は子供の利益にならないので、子供が求めても拒否するのは正しい。子供の意志を無視して拒否すべきである。子供が性的な行為を行うようになったら、子供の利益を損なうので、そのようなことを促さない。もちろん、その拒否を優しくしたほうが良い。今は危ないとか、もう少し大人にならないと傷になるなどと言って、別なことを提案すべきだろう。厳しくすると、大人になっても性的な行為に対する強いマイナスなイメージを持つ恐れがあるが、それを避けるべきである。

色欲に悩まされる人が間違えるから禁じるのは基本である。大人から子供に対して性的な行為を提供しないのはこの理由であるし、子供から提供された性的な行為を拒否する理由も同じである。さらに、大人同士の性的な行為の場合、同意を求める理由と同じである。つまり、幼い子供と性的な行為を一切避ける理由は、大人同士の行為に同意を要求する理由と同じである。ただし、幼い子供の場合、子供の同意と全く関係はない。

中学生ぐらいになった子供は違う。もう若者になっている。性的な行為に同意できる。そして、自発的に、積極的に、猛烈に求めることもある。この事実の前に「同意できないから」を禁じる理由として掲げることには説得力はないし、行動の指標にもならない。では、どうすべきなのだろう。

これも、基本的に若者と性的な行為をしない。

まず、未成年の若者はまだ脆弱である。自分の知識や経験や判断力はまだ未熟である(本人に言えば、反発は驚異的だろうが、事実は変わらない)。大人の誘導にまだ弱いし、長期的な結果も予想できない。その上、この時期に若者が一般の大人にとって性的な魅力を持つようになる。(幼い子供に性的な興味を持つ人は極めて少数派であるようだが、高校生になると、そうではない。)だから、大人の色欲が誘惑になるし、対象となる若者が自分の利益を十分守ることはできない。

だから、大人から性的な行為を一切提供しないのは正しい方針である。同意を得られる可能性があるが、その同意は若者の利益に違反する可能性も高い。自分の色欲の影響で、自分で若者の利益を正しく判断できないので、しないこととする。

ただし、上述のように、若者が人に性的な興味を持つようになる。だから、若者から提案されることもある。その場合でも、相手とならないのは賢明な決断だろう。もちろん、優しく拒否するし、若者の魅力を認めたほうが良い。それに、若者の魅力をちょっと水増しして認めたほうが良いかもしれない。これほどの年齢差で問題が発生することは多いし、お互いに魅力を感じる人は冷静に判断できないので、するべきではないのような理由を挙げて拒否したら良いのではないか。数年後、まだ同じ気持ちであれば、また告白してね、まで言っても良い。(フランスのマクロン大統領は実例である。若者として先生に魅了されてしまったそうだが、数年後その気持ちを再度告白して、結局結婚したということ。今でも結婚生活がうまく行っているようである。)

それでも、大人の役割は拒否することである。大人は責任を持って、若者を庇うべきである。

応じても良い状況は、基本的に相手が自分の利益をきちんと判断できるようになった年齢であるのではないか。しかし、それを判断するのは難しい。25歳を越えれば、明らかに問題はないだろうが、18歳でまだ疑う余裕がある。人によっても違う。法律で年齢を決めておかなければならないが、倫理を論じればその必要性はない。事前に最低年齢を決めるべきだし、それを自分の国の法律の年齢と一致してもいいが、その年齢を超えたらなるべく冷静に考えて、判断すべきだろう。少なくとも、気持ちがすぐに変わらないことを確認するために待たせるべきである。

一方、若者同士の性的な行為は違う。責任が取れる相手はいないので、当然発生する。それより、成長のために発生したほうが良いとも言える。だから、余計に問題が発生しないように工夫すべきである。若者には避妊ができるように努めたり、安全で安心な環境で性的な行為が行えるように設定したり、親や擁護する大人から隠さずにできるようにするべきである。(丸見えの状態でやる意味ではなく、していることは知られている状態でするということ。)そして、問題にならないように助言を提供すべきである。

つい、若者時代はもう遥か昔の私が自分の立場から考えてしまうが、若者の立場も考えなければならない。若者は、色欲の強さを理解するのは大事である。そして、問題を避けるための方針を自分で決めたほうが良いのである。例えば、相手を親に紹介してから、自分の部屋で性的な行為をするが、そうではない限りしないという方針があったら、多くの問題を避けることはできる。ただし、親の態度は重要である。

しかし、若者の立場から考えれば、良い性的な行為をどうやって確保するかが課題となるし、色欲の強さに考慮すればその問題は若者に限らないので、別途で扱いたいと思う。

まとめたら、結局大人は未成年者と性的な行為をすべきではない。それは変わらない。しかし、理由は同意と関係はない。未成年の相手の同意があっても、してはいけない。子供や若者を、大人の色欲からも、自分の色欲からも、守るべきである。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

最近の投稿

最近のコメント

アーカイブ

カテゴリー

メタ情報