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身を切る改革

「身を切る改革」を訴える政治家や政党は少なくない。多くの場合、それは議員数の減少と議員の収入の削減を意味する。 まずは、議員数の減少は身を切る改革ではない。むしろ、数が少ければ少ないほど、一人の議員の影響力が増す。そして、議員の数は少ないので、政党の執行部の管理が行き届く。つまり、これは政治家の個人的な力を増やすための方策であり、「改革」ではない。 議員の収入の削減は違うと思われるだろう。収入が減れば、議員が何かの損失を感じるのではないか、と。しかし、このような改革をやり過ぎたら、政治家に成れるのは、富裕層に限る。富裕層ではなければ、生きるための収入はないからだ。その上、富裕層であれば、議員の収入はそもそも大したものではないので、削減しても構わないという態度だろう。 だから、別な方向から「身を切る」べきだと私は思う。...

地方住民

日本では、地方の過疎化は深刻な問題である。解決するために多面的な方針が必要であるのは明らかだが、移民政策と連携して一助になるのではないかと私は思います。 新しいビザと在留資格の案である。基本条件は、過疎自治体に住まいを持つことだ。住民票の登録はもちろん、実質的な住まいも条件になる。それで、まず1年間の在留資格を取得して、過疎地域に住み続けば5年間に何回でも更新できる設定がよかろう。 もちろん、この条件だけは不十分だ。...

三次元の倫理

正義に基づいて明白な行動の基準を得られなければ、どうすれば良いのだろう。行動をその瞬間の勘によって決めても、基準を設けたので、基準なしにはできない。そして、基準は何にしても、間違える恐れがある。それはどうせ正義には限られない問題である。その瞬間の勘でも、間違えることはある。 その解決策として、三つの基準を同時に利用する案を掲げる。 その基準は自由、慈愛、持続である。併せて、三次元の倫理と名付けよう。 自由は、すべての人が自分の行動や人生を自分で決める状況を指す。人の行動を拘束せず、制限せず、抑制せず振る舞って、幅広い選択肢から選べさせるように努める方針である。 慈愛は、人の幸福を願って、実現しようとする行動を指す。 持続は、永遠の将来までこのような行動や社会が続けるように今現在の行動を慎む方針だ。...

疑う正義

ユダヤ人を虐殺するのが正義に適わないことは、今になって誰も疑わないだろう。しかし、そう思った人はナチスドイツに限らず、ヨーロッパの歴史には多数いた。中世や近世に、ユダヤ人が(1000年以上前に)キリストを殺したので、当時のユダヤ人を殺したり弾圧したりすることは正義だと主張した人は少なくなかった。その上、出鱈目な中傷に基づいて、反ユダヤ意識を煽った。それは悪極まりないだった。 私たちはそののような誤りを犯していないと確信するだろう。 だが、なぜ確信できるのか。...

誤った正義

正義の指導が間違った方向に導く理由としてすぐに思い浮かぶのは、正義を見誤った状態だろう。つまり、正義であると思う理念は実は正義ではない状況だ。 些細な場合もある。例えば、ボランティア活動で社会に貢献することは正義に適うのを正しく判明したとしよう。そして、現実的な選択肢は災害の被災地での活動と近所の貧困の子供の支援活動だとしよう。いずれも貢献できるし、社会にいい影響を与えます。しかし、正義に適うために、子供支援をすべきだ。それでも、考えた上で、誤って被災地での活動を選ぶ。 確かに正義を見誤ったが、このような問題について心配すべきではない。人間はこのように間違えることもあるのは決まっている。このような誤りを悪徳の行為として批判する立場もあるが、正義の概念でこのような誤りが問題になったら、それは概念の問題であると私は思う。...

正義の魅力

正義を求める人は多い。正義を憧れる人も多い。正義の味方になりたい人も多いだろう。しかし、私は正義の魅力は幻であると思う。 そう思う理由を説明する前に、正義の魅力を具体的に描かなければならない。 この問題は難しくないと感じる人は少なくなかろう。言葉の漢字で明白であると思われるだろう。「正」と「義」だから、魅力的だろう、と。しかし、このような答えで物足りない。なぜ「正」と「義」に魅力があるのかという質問が残るし、まだ答えを待っているように感じる。「美」も同じだ。確かに美は魅力的ではなかったら、美ではないが、その魅力はどこにあるかという質問が残る。...

刑罰の不平等

刑罰の不平等の是正に関しては、根本的な問題がある。 原則として、刑罰の対象となる行為は社会の福祉に悪影響を与える行為に限られる。対象の行為を勝手に増やしたり減らしたりしてはいけない。そして、刑罰を受ける人は、その行為を犯した人に限られる。これも、勝手に増やしたり減らしたりしてはいけない。つまり、不平等を是正しようとしたら、それは刑事裁判等には深刻な問題があることを前提とする。起訴したり有罪判決を下したりする行為に差別があるか、刑法には誤りがあるか、ということだ。これほど深い問題があるとは認めたくないだろう。 しかし、男女平等を理念としたら、そう考えなければならない。男女は平等であれば、刑事司法制度には問題は無い限り、受刑者数には格差は発生しないからだ。...

男女平等

日本では、男女平等には大きな問題があるのは周知の通りだ。令和3年に、女性の平均賃金は男性の75.2%になっていたそうだし、国会議員の女性の割合は、令和4年には9.7%だったそうだ。 しかし、それだけではない。平均寿命は、令和2年には男性は81.56年、女性は87.71年で、令和元年に受刑者のうち、男性は90%で、女性は10%だったそうだ。 国会議員は極めて少数なので、それを除こう。賃金で、男性は100であれば、女性は75である。寿命で、女性は100でれば、男性は93だ。そして、自由で、女性は100であれば、男性は11だ。生命、自由、収入はそれぞれ重要だから、単純に計算すれば、日本社会全体で、男性は204で、女性は275である。 つまり、男性は不利だ。...

気候危機の対先

気候危機が訴えられているし、政治家もその通りであると述べるが、必要な対策を取らない。これからの7年間以内二酸化炭素の排出量を地球規模で減少傾向に転じさせなければならないそうだ。その見込みは一切ないけれども。 では、どうすれば良いのだろう。これは危機だから、危機に対応するための予算を投じても良かろう。その予算の実例を探せば、今掲げられている防衛費の増額が思い浮かぶ。気候危機は周辺国からの脅威より確実で大きな脅威であるので、少なくともその金額を投じても良いと言わざるを得ない。増額は年間1兆4000万円だそうだ。 温室効果ガスの排出を削減するために複数なやり方が考えられるが、国家が動く場合、少数なことに関与した方が良い。社会の大規模な変化を起こそうとすれば、狙われていない結果が発生するし、結局逆効果になってしまうこともあるので、単純な方針を選べば良い。...

少子化対策

少子化対策はどうしたらいいのだろう。子供手当の所得制限を撤廃することは無効であるのは明らかだ。事実上、それは富裕層に少額なお金を与えることになるので、子供を産む決断に影響を与え得るとは思えない。 根本的に、日本の将来を明るく見てもらうことで子供を産んでもらうのではないかと私は思うが、そのような見方の促進方法は分からない。だから、もう少し単純な案を示す。なお、下記の案は少子化は岸田首相が言う通り本当に危機であり、本当にこの数年間で解決しなければならないことであることを前提とする。私もその通りであると思うが、危機ではなければ下記のような対策はありえない。...

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